マンション長寿命化促進税制って何?
マンションに住んでるけど私にも関係あるのかなぁ。
令和5年度税制改正において「マンション長寿命化促進税制の創設」が盛り込まれました。
マンション長寿命化促進税制とは、簡単にいうと「適切に大規模修繕したマンションは、固定資産税を安くしますよ」という制度です。
マンションを保有している人は、気になる制度ではないでしょうか。
また、この制度は居住用だけでなく、投資用にも適用されます。
この記事では、「マンション長寿命化促進税制」がどんな制度なのか、条件や制度導入による予想される影響などを、国土交通省の資料を基にまとめました。
該当マンションを保有していて売りたいと考えている方・不動産投資をしている方はぜひ、参考にしてみてください。
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マンション長寿命化促進税制の概要
管理計画の認定を受けたマンションなどにおいて、長寿命化工事(大規模修繕)が実施された場合、その翌年度に課される建物部分の固定資産税が減額されます。(建物部分:100㎡まで)
減額割合は、1/6~1/2の範囲内(参酌基準:3/1)で市町村の条例で定めることとなります。
対象マンション
では、この「長寿命化促進税制」が受けられる該当マンションは、どのようなマンションなのでしょうか。
- 築後20年以上が経過している10戸以上のマンション
- 長寿命化工事を過去に1回以上適切に実施している
- 長寿命化工事の実施に必要な積立金を確保している
(積立金を一定以上に引き上げ・「管理計画の認定」を受けていることなど
※以上すべてに該当していることが必要
「管理計画の認定」は、一定の管理基準を満たしているかどうか、マンション管理適正化法に基づいて自治体が窓口となり認定しています。(管理組合の運営・長期修繕計画の作成・見直しなど)
国から「ちゃんとしたマンションだよ!」というお墨付きがあるマンションということですね。
また、管理計画認定を受けたマンションだけでなく、地方公共団体の助言・指導を受けて適切に長期修繕計画を見直しなどした場合も対象になっています。
対象工事
2年間だけってこと?
そうなんです!
2年間の特例措置なので、減税を受けたいマンションは早期に動く必要があるんです。
マンション長寿命化促進税制を創設した理由
【行政代執行により除去したマンション】
・外壁が剥落し、アスベスト飛散のおそれ
・行政代執行費用は約1.2億円
- 多くの高経年マンションは高齢化や工事費の急激な上昇により長寿命化工事(大規模修繕)に必要な積立金が不足
- 大規模修繕が適切に行われないと、外壁剥落・廃墟化を招き、周囲への大きな悪影響や除去の行政代執行に伴う多額の行政負担が生じる
- 建て替えのハードルも高く、マンションの長期使用を促す
- 大規模修繕や修繕積立金の値上げは管理組合の合意がなかなか得られないので、それを後押しするため
大規模修繕にかかる費用は一戸あたり75〜125万円が相場とされており、区分所有者の3/4以上の賛成も必要となるため、なかなか可決しないのが現状です。
マンション長寿命化促進税制は、大規模修繕の起爆剤となるよう定められた特例措置なんですね。
「マンション長寿命化促進税制の導入」による予想される影響
- 修繕積立金の値上げ
- 利回りが減るため投資用マンションの価値が下がる
該当物件を持っていて「売るか迷っている人」は早めの決断を
修繕積立金の値上げは予想されます。
そうなると、マンション長寿命化促進税制を掲げて建物管理業者が「大規模修繕工事の早期実施」「積立金の値上げ」の早期決断を迫ってくると思われます。
その結果、管理組合も固定資産税が減額になること、その期間が限定だとすれば可決される可能性も十分でてくるはずです。
投資用マンションの売却を考えている人は早めに売ろう
投資用で減税制度の該当マンションを保有している人で売ろうか迷っている人は、早めに売却するほうが賢明です。
なぜなら、ここ1~2年のうちに修繕積立金が値上がりする可能性が大いに考えられるからです。
そうなると、利回りに影響してくるので、売却価格が下がる可能性がでてきます。
投資用物件の場合、売却査定に影響するのは利回りです。
例えば、修繕積立金が月額1000円値上がりするだけで、売却価格は数十万円(30~40万円)下がることになります。
まずはWebで無料査定をお願いして、自分の物件の価格を調査することから始めてみてください。
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売却後のサポートもあるのも安心できるポイントです。
今、マンションを売ろうかどうか迷っている人は「マンション長寿命化促進税制の導入」で売却金額が大きく変わってきてしまうので、ご自身でも調べてみて納得のいく金額で取引してくださいね。
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マンション長寿命化促進税制 まとめ
- 築後20年以上が経過している10戸以上のマンション
- 長寿命化工事を過去に1回以上適切に実施している
- 長寿命化工事の実施に必要な積立金を確保している
(積立金を一定以上に引き上げ・「管理計画の認定」を受けていることなど
※以上すべてに該当していることが必要
- 対象工事:令和5年4月1日から令和7年3月31日までの間に完了した長寿命化工事(2年間のみ)
- 減額割合:1/6~1/2の範囲内(参酌基準:3/1)で市町村の条例で定めるリスト
- 修繕積立金の値上げ
- 利回りが減るため投資用マンションの価値が下がる
該当物件を持っていて「売るか迷っている人」は早めの決断を
マンション長寿命化促進税制は2年間の措置のため、該当しているマンションを保有している人は管理組合とともに早期の決断が必要ですね。
また、売却を考えている方もご自身の物件が該当しているかどうか、今一度確認してみてくださいね。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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